年数だけは立派な吹奏楽部お手伝いの話

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パート割りの誤解を解くために

部活でまかり通る暗黙の上下関係

【1st】 最上級生やエースが担当 【2nd】 そこそこ吹ける子が担当 【3rd】 初心者や吹けない子が担当 だから、1st吹き=上手、とか、後輩には譲らないぞ! と言う話を、とてもよく聞きます。特に、部活では。

本当にそうなんでしょうか?

多くの方がブログやツイッターなどで書かれており、私も共感するところも多いです。 結論から言うと、「重要なパート」なんて無い!

むしろ、どのパートも無いと困ります。笑

とはいえ最初は必然かもしれません

最初に楽器を始めるこの大半は小学校の部活とすると、 学年が上がるにつれて経験、知識のみならず身体の成長も早く進行するため、 6年生と4年生では実力差はある程度できてしまいます。 つまり、 ・1stが吹ける子=大抵、6年生と必然的になるかと。 この時に、まだどのパートも大事と教えても、実態と乖離して納得が難しいかもしれない。

むしろ、6年生を目指して4年生が成長するのには有効なカルチャーかもしれない。 と考える現場の方もいらっしゃるように思います。

どのパートも大事と初めて伝えるのは、中学校がチャンスかもしれない

中学に入ると、"演奏可能な音域差"は小学生ほどの差がなくなります。 中学吹奏楽デビューの子が入ってきますが、小学生よりはキャッチアップが早いように思います。。 ただし、上下関係についての意識が小学生より強くなります。 結局、放っておくとパートによる上下関係が残ってしまいます。

そこで、"演奏可能な音域差"に注目。 (音を外してしまうとか、音色が、とか、この段階ではどうでもよく笑)

「ここがチャンス!」メンバーの音域がそこそこあるなら、全パートをローテーションさせてみる。 曲練習でも良いですし、基礎練習のハモリ練習でも良いかと思います。

1:同じハーモニーでもパートを交代すると聴こえ方が違うよね? 2:音程が合わせられるととても綺麗だよね? 3:それぞれのパートを吹く時に、どんなことを意識してる?

こんなことを会話しながら、練習を進めるんです。

大人が経験や体験を通じて各パートに対する想いがあるなら、ここでインプット。

こんな練習はいかがでしょうか。 基礎練と思われにくい練習ができる・・・アルペジオ練習

みんなが違いや大切さを共有出来るようになったり、 どのパート分けの時が一番気持ちのいいハーモニーが出せたのか と言うことを体験しながらであれば、結果として どのパートを誰が演奏すると言うのが、固定になろうが、ローテーションになろうが 納得しながら演奏出来るし、必要なことも理解しながら、納得しながらパート割りができる。。。

と、思います笑

不安に負けないよう、言い続ける

とあるアンコンで2年の先輩が下のパート、1年生が上のパートに変更したことがあります。 実際、その方が綺麗に聴こえたことや、音外しが少なかったからです。 理由も説明し、実際に音を鳴らした上でアンコンメンバー総意で行えました。

ただ、本人たちは納得してくれたかもしれませんが、 パートの上下関係のカルチャーが残っている方が大半であれば、 「あいつ先輩なのに下のパートになったぜ」 と周りから言われる不安と向かいながら部活に出るようになります。

なので、パート割りがうまくいった時にきちんと「出来てるよ」と言ってあげたり、 それこそ大人の皆さんが感じる各パートへの想いをこまめに発してあげることが重要ででしょう。 こちらもよろしければご覧ください。 出来たらちゃんと、「出来てるよ!」

高校生は、信者に注意

・・・半分冗談で書きます。。 高校生であれば、もう理解も演奏も各パートを意識して出来ると思うのですが、おそらく最後の砦、 「きゃー〜センパーイ!」 これです笑 憧れの先輩に1stを吹いてほしい、からか、各パートを積極的に試そうと言う気持ちが薄らぐ 可能性があります。

ここまで通過してしまった大人には

大人になっても誤解をされている方はいらっしゃるようです。それは残念ながらここまでの間に 誤解であることを気づくきっかけがなかったってだけです。一緒に楽しんでいけば良いと思います。

パート割りの誤解を解くためのポイントを整理しておきますと、 ・各パートの役割に対する想いを言い続けること。 ・そこそこ音域が吹けるのなら、メンバーをローテーションして、ハモリ練習をする。 ・響きの違いを楽しみながら、各パートに挑戦するように促すこと。 ・良かった時には、良かったよと反応し合うこと。

ご参考になれば幸いです。