年数だけは立派な吹奏楽部お手伝いの話

地元中学吹奏楽部を10年以上お手伝いし何か残せればと思ったサイト

デクレッシェンドを”創る”

何が。。起きた?

曲中によく登場するクレッシェンド、デクレッシェンド。

曲を盛り上げるかのように駆け上り。。頂点に達したら デクレッシェンドの指示によってまるで安定に向かうように ゆったりと収束へ。。。

ストンっ。。

あれ? いきなり聴こえなくなった?

何が起きたかというと、デクレッシェンドの箇所に到着した瞬間、 一気に音が小さくなってしまいました。 まるでフォルテピアノ(fp)のように。

無意識・・・なのかもしれません

本人たちは、ちゃんとデクレッシェンドをしようとしていた ・・・みたいです。

ところが、山の頂点に到着した瞬間、 滑落したような聴こえ方になっているのです。

パワーを加える、と、減らす、の違い

自然に聴こえるクレシェンド、デクレシェンドは 登りも下りも滑らかです。 もちろん、曲により登り方、下り方の表現は異なります。 ですがフォルテピアノと同じではないはずです。

さて、クレッシェンドの時

パワーの弱いところから力を加えていくイメージになるかと思います。 これはもともと脱力の状態からのスタートなので、どんどん加えていけば よく、イメージ通り行うことはそれほど困難なではないかと思います。

では、デクレッシェンド時はどうか。

理屈で言えばこの逆を行えば良いのですが、クレッシェンドとの違いは 実はスタートの段階ですでに一定の負荷が掛かっている事です。

掛かっている負荷であれば一瞬で解放したいところですが、 実際に必要な動作は、パワーを少しずつ減らしていくという事。 少しずつ減らすというのは、一定の負荷を残すのと同じですから、 パワーを減らし切るまでは負荷に耐え続けなければなりません。

ここが、パワーを加えるのと減らすのとの違いです。

負荷に耐え続けるような意識が弱いと、無意識にパワーを 解放してしまい、ストン!、ということになるわけです。

鉄棒をイメージして見ます

例えば鉄棒で、腰から上が棒の上にあり、両腕で支えている状態をイメージしてください。 ここから、下に降りようとした場合、 両腕の力を抜けばストンと一気に降りられます。

この方が自然なのだけれど、これを 5秒かけて均等に降りてきて! と言われたら、どんな動きになるでしょうか。 おそらく、これまでと違う力の使い方をすると思います。

では、どうするか

まず、どんな下り坂になるのかのイメージを"創る"ことです。 その坂の下り具合を、その時点で必要な音量、と見立てて、 それに沿って力を抜いていく。 これで表現できると思います。

デクレッシェンで同じようなことを言われたご経験がある方、 お試しあれ^^