年数だけは立派な吹奏楽部お手伝いの話

地元中学吹奏楽部を10年以上お手伝いし何か残せればと思ったサイト

曲のカットについて

控えめに言って、 論外。 というくらい好みません。

学生時代に、機会があって何度か 作編曲をしたことがあります。 ほぼ独学ですが。。

そりゃもちろん、構成が甘くて 無用ではないかと思う繰り返しを していたりするかもしれません。

でもね、作曲者が世に出した時点で それが生み出した人の意思なんですよ。 もちろん例外もあって、 その後のお弟子さんの修正を公然と 認めている作曲家もいます。 でもそれだって、 生み出した人の意思に基づいています。

カットって、 文学作品で言ったら、 途中のページを抜いて読むようなもの。

古本屋なら 買い取る価値もないもの。

それがです。

コンクールで良い賞が取りたい そのためには頑張れる曲を やりたい曲を、かっこいい曲を ん?時間制限? うーん、どこを切れば良いんだろ。

あ、強豪の〇〇校がカット版演奏してる。

これ真似しよう。

どうですか?〇〇さん?

もうね。目を輝かせて、 これから頑張るぞという気合とともに。

理想的なカットの方法なんて 知りません笑

精々、音楽的に、和音進行的に 唐突感がないところで判断するくらい?

作者に聞いてみてください。

あなたの曲演奏したいんだけど、 時間が足りないんでどこ抜いたら良いですか? と。

機会があれば、どんな拙くても良いんです。 一曲書き上がったことを想像してください。

それで、自分自身に 同じ質問をぶつけてみてください。

コンクールでの時間制限というのは、 場を円滑にすすめるためにあるものです。

そのための手段として、 カットという技を使う。

こんなこと、 子どもたちに教えたくないです。

コンクールの審査ルールで、 指示以外の楽器で演奏したら失格になる というのがありますが、 それが罪というなら カットも失格にしてはどうでしょうか。

描かれた音をなんとか表現しようとした 前者より、描かれたものの表現を割愛 するほうが自分は罪だと思うのですが。。

定期演奏会、ではないですが、 12分という制限時間、2曲というルールの中で どんな組み合わせにするか、そこに時間をかけて 皆で取り組むほうが遥かに文化的です。

良い賞が取りたいから早く練習を開始したい。 頑張るからにはかっこいい曲をやりたい。 その曲をやりたいからどうにかしてカットしたい。

一見ロジカルですが、 音楽を大事にするか賞を大事にするかで 変わってくるのかもしれませんね。

自分は、 コンクールから学ぶ、という趣向に 決して後ろ向きなわけではありません。 講評を活かすなども提案しています。

ただ、コンクールである前に 人前で演奏するものだというスタンスを ないがしろにはしたくないです。

そこで現状に目を向けると、 ・・・うまい時間に収まる曲がなかなかないのも 事実です。

とはいえ、

最近はニーズに合わせて書いてるのもあるみたいですね。 5分以内で終わるアンコン曲とか、見受けます。

この流れは前向きなのではないでしょうか。

芸術に時間なんて、という向きもあるでしょうが、 どの時代だって、ニーズはあります。

たとえば、 ハンガリー舞曲とスラブ舞曲の関係など面白いです。

楽譜出版社が、 当時ご家庭で楽しめるピアノ連弾の譜面を ブラームスにお願いしたところハンガリー舞曲がヒット。 同時期に売れだしていたドヴォルザークに 同様のお願いをしてスラブ部局がヒット。

こんな側面もあるわけだし。

昨今の少子化や忙しさを考えれば、

伝えたいことをシンプルに短時間にまとめられている曲は 十分受け入れられるのではないでしょうか。

同条件はビジネススキルでも必須ですよ?笑

制限時間に収まる演目を熟考する コンクール向けの曲が誕生する

このあたりの方向に進んでゆくと、 将来が楽しみになってくるのですが、 どうかカットだけは。。。

ご参考になれば幸いです^^