その子はホントに、良い子なの?
毎年、新入生が入ってきます。 どんな生徒が、後輩が入ってくるか楽しみですよね。
良い子だったらいいなぁ。 誰でも思うことです。
さて、良い子って、どんな子なのでしょうね。
1:返事が良い 2:先生の言うことを良く聞く 3:先輩の言うことを良く聞く 4:上手だけど、先輩ほどではない(笑) 5:気遣いができる子 こんな感じでしょうか。いかがですか?
実は私は、これらの要素がそろっている子ほど、 ある重要な点が見落とされていないかを心配しています。
二つの"物差し"
その"良い子"に、このように質問してみてください。 「この曲、あなたはどうやって演奏したいの?」
(A)何も意見が出ない子 (B)意見は出るが、先生や先輩の想いと合わない子 (C)意見は出るが、先生や先輩も考えていなかったことをいう子 (D)意見が出て、先生や先輩と同意見の子
先ほどの1~5に加え、ここまで踏まえたときに、どのように感じますか?
どちらも出来ていないと、困る感じがしませんか?
端的に言いますと、
です。
たとえば。。。
1~5が出来ていて、Dの子だったら、その子は良い子ですか? 実は先輩に合わせているだけで、実質的にはAと変わらない子はいませんか?
そもそも先生や先輩の間では、Dの関係を作れていますか?
大切なのは、誰の、何か
私はこう思います。
集団で音楽を作っていくためには、どちらの物差しも重要です。 が、どの組み合わせでも、それぞれ違った課題があります。
その課題に気づけるのは、新入生のほうなのでしょうか。
一人一人にきちんと向き合い、仲間になるために、 手を差し伸べられるのは、新入生のほうなのでしょうか。
キーワードは、自主性です。
これは、新入生に向けて発している言葉ではありません。
先生や先輩が、「~に任せておけば大丈夫」と 格好をつけず(笑)、自分の目でみて、気になることがあれば 自ら動いて仲間に伝えて、良くしていく。
新入生に自主性を求めるのは結構です。
ただし、新入生はそれを先生や先輩の行動から学びます。 そして、それで良しと判断するわけです。
「その子はホントに、良い子なの?」
それは、受け入れる側の自主性次第です。