年数だけは立派な吹奏楽部お手伝いの話

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顧問の先生の状況別、コンクールとのポジティブな関わり方

コンクールも佳境に入り、Twitterなどで盛り上がっています。

この時期、 ・金を取るために ・今年は勝つために ・コンクールの賛否 ・音楽とはコンクールだけじゃない この様な主張をよく見かけます。

そして、現場に近い、特に顧問の先生方は 自分たちがどうして行けばいいか、悩み、色々と 参考にされているかと思います。

ですが、結論が出ないことも多々あるかと思います。

それは、これらは主張する方の音楽の接し方や体験内容、 価値観や成功事例によって書かれているものであって、 見る側の環境に差があれば、共感したからと言って、 自身の現場で活かせるとは限らないからです。 もちろん、私の記述も含めて笑

なので私、考えました。 どの様に捉えれば、自身の環境にあった活かし方が 出来るだろうかと。

ここで注目したのが、 顧問の先生とコンクールのポジティブな関わり方 というわけです。

子供達はどこからコンクールに関わる?

まずはじめに、子供達は どの様な場面から音楽をスタートさせて いることが多いでしょうか。

幼少期に楽器に触れることであったり、音楽の授業であったり。

しかし吹奏楽・楽器に触れるきっかけの大半は・・・・ コンクールに関わることになるのは、 ズバリ、学校です。さらに大半は、小学校からだと思います。

子供達はまだまだ吸収段階です。 このため、顧問の先生との関わり方に 生徒は大きな影響を受けることになります。

ということは、顧問の先生のご状況と、 コンクールへの向き合い方は、とても大きな関わりを 持つことになります。 (コンクールを選択しない学校もありますが、 話題から逸れますので、ここでは割愛します。)

顧問の先生のご状況

さて、顧問の先生のご状況としては、 主にこちらの3タイプのいずれかになるのではないでしょうか。

A:片手間、場つなぎ B:自身の音楽感を伝達する C:コンクールで賞を取ることを目的とする

タイプ別、コンクールへの関わり方アドバイス

A:片手間・場つなぎ 顧問になりたくてなる人ばかりではありません。 仕事としての位置付けも曖昧です。よって、不足知識を補う 気力も時間もかけたくない。 しかしこのため、ポリシーが醸成されていないので、 詳しい方が1段階掘り下げて質問をすれば、すぐに見抜かれます。 またそれが怖いと感じる方もいらっしゃるかも知れません。 この場合、コンクールについては義務感から臨ことになり、 対生徒、対保護者との温度差が高なり、 自身のストレスを増やし兼ねません。

(Aタイプのコンクールとの関わり方) とにかく自分に足りない部分を人に頼りましょう。 知識や経験なら講師を。時間なら部活動指導員を。 身近につてがない時は外部募集が良いかと。 費用や全くの他人が心配であれば、地元の卒業生を兄弟から 紹介してもらうのもありですね。 マネジメントに徹して、皆が良く回る様にして行きます。

B:自身の音楽感を伝達する 音楽は競技ではありません。ここでご自身の経験を生かして 子供達に伝えて行きたいと、熱心に取り組まれる方も多いです。 しかしこの場合、生徒の反応をあまり気にしないことがある様です。 生徒から見ると →何を言っているかわからない。 先生から見ると →伝わるまで頑張ろう。 この温度差があるままでは、生徒は ただ言う事を聞くだけになってしまうかも知れません。 自身の音楽感を伝えることも出来なくなってしまいます。

(Bタイプのコンクールとの関わり方) コンクールというイベント自体をネガティブに捉えず、 曲を素材にして、ご自身の音楽感とぶつけて、 その曲の良さを引き出すためにスコアリーディングと ご自身の意思固めに注力しましょう。 そうすれば、やるべきこと、必要なことは バンドの状態とのギャップで自然と出てきますから、 あとは、ご自身でなんとかするなり、Aタイプの様に 一部はお任せするのも良いかと思います。

C:コンクールで賞を取ることを目的とする 詳しい方ほど多いかも知れません。特にご自身が頑張った ご経験=良い思い出になっており、それを分かち合いたい方々。 うまく伝われば良いのですが、そういかない場合も多いようです。 例えば、上位常連レベルの学校でご自身が渡り合っていたことと、 その内容を子供達に伝えられるかは必ずしも一致しません。 コンクールは集団競技ですので、ご自身以外の、全体的な要因も 理解されていないと難しいです。 割とお聞きするのが、現状を確認せずに自分がやってきた 練習と同じ事をさせようとする事で生徒とぶつかってしまう事。 自分に共感できない方の声に耳を傾けるのが難しいのかも しれません。

(Cタイプのコンクールとの関わり方) 演奏をするのは、バンドです。 そして顧問の先生は、理想の音を知っています。 つまり、なんとかしなければいけない箇所は、わかります。 その箇所について、過去にご自身が克服してきた経験が あるかないかを整理します。 ない部分については、頼るか、クリニックなどでご自身のお力を 高めるか、お好きな方を実践されて補います。

以上です。いかがでしたでしょうか。

お伝えしたいこと

お気づきでしょうか。 コンクールを活かすと言っても、 一切、金を取るためのノウハウなど語っていないことに。

・育てるべきは、バンド。 ・そのために、自身ができること、出来ないことを振り返る。 ・そして、出来ないところについては、補う。

これだけです。

あとは、ご自身とバンドがそれぞれ成長を自覚していけば、 それをきっかけに意欲が湧き、自主的に取り組み、 その結果その曲の、バンドとしての理想の完成形に より近づいていくという健全なスパイラルになります。

その結果、金賞をとって、 それをゴールに音楽を辞める子もいるかもしれません。 音楽を辞めてしまう事は少々寂しいですが、 その子にとっては、糧になっていますよね。 それは受け入れるべきだと思います。

逆に、過去の実績やご自身の価値観にとらわれ、 一方的に生徒に押し付けて金賞をとって辞めた場合は、 開放感であり、糧になっているかは不安です。

顧問の先生と共に、コンクールとうまく向き合い、 成長を実感していける部活動になるといいですね。

来年に向けた、さらなる発展を応援します!