年数だけは立派な吹奏楽部お手伝いの話

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オレ流 トロンボーンできれいなスラーを掛ける

スライド楽器ゆえの悩み

トロンボーンが他の管楽器と決定的に違うこと、、、 それは、スライド楽器だという事。 「音程を自分で感じないと位置が決められないから苦手」

なんていう言葉もよく聞きます。

実は、ピストン楽器同様、ポジションという おおよその位置があるので、それを目安に音を確認すれば、 まあ何とかなります。

ただ、このスライド楽器。 一つ、悩まされることがあります。 それが、本日のお題。 「きれいなスラーを掛ける」ことです。

何が違うか。

そう。 ピストンやロータリー楽器と違い、 一瞬で別の音を出すための準備が出来ないんです。

金管楽器は、唇の振動と、管の長さで音程が変わります。 唇の振動だけでは音階が飛び飛びになってしまうため、 管の長さを増やしたり減らしたりして、 半音ズレた飛び飛びのパターンをいくつか用意して、 それを行き来するイメージです。 (金管楽器の人にはわかりますかね?)

ピストンやロータリーのボタンを押すと、その分、 半音いくつか分の管の長さが延長され、必要な音が出ます。

さて、スライド楽器ですが。。。

その行き来を全部たった一本のスライドで行います。 これが難しい。

例えば、半音二つ分下げたければ、それだけの長さのスライドを 前に出す、しかも位置をピタッと決めないとけないです。

もしスライドを動かしている最中に発音してしまうと、 途中の音が出てからまだ到着まで動いている状態のため、 その音程分、フニャッとした音が出てしまいます。笑

で、スラーなんですが、 二つ以上の音を滑らかにつないで演奏するものですよね。

滑らかに。。。 では、本題に参ります笑

トロンボーンでどうやったら出来るでしょうか。

結論から言います。 これができるようになった時には、 相当、基礎的なことが身についていると思います。

難しいけれど、やる価値あり!

念のためですが、基本的に文章でなんとか表現したいタイプなので、 (音楽仲間として創造力を発揮して欲しいので) お手本動画とかは載せません。そんなに自信もないし。。。

ちなみに自分が吹いたスラーについて、 ユーフォ?と聞き間違えられたことがあります。 どうやったら〇〇さんみたいに出来ますか? と聞かれることがあります。 出来具合が伝わりますでしょうか笑

ポイントは5つ 1:発音が頭からまっすぐ出せるようにする。 2:ラ行のゆるいタンギングで発音できるようにする。 3:残響の残る音の出し方をする。 4:音のテンションを上げながら残響を残す。 5:スライドを目的の場所でピタッと最短時間で止める。

ね?この時点でうわっと思いませんか?

これでうまくいく理屈をご説明します。

スラーが、 音と音のつながりがあり、かつ、滑らかなもの とします。

これを分解してみると、 ・音の切れ目がない ・音の移り変わりの流れを感じさせる ・かつ、それぞれの音はスムーズに切り替わっている ということ。

これと、前述のポイントとの関係を絡めてみると、

1、2との関係はこうです。 音を次々につないで行くために、次の音がしっかり発音される必要がある とはいえ、滑らかさを出すためにきついタンギングはしない。
次、3〜4との関係はこうです。 ここがトロンボーンならではのところ。 トロンボーンがスライディングによって次の音の長さまで 移動するにはピストンやロータリーを押すよりは時間がかかります。 仮にこれが一瞬でできたとしても、移動するまでの過程の音程上下が グリッサンドとして聞こえてしまいます。(ポルタメント) だから難しいんですよね。
ここで、コツです。 手前の音と、次の音の間に髪の毛一本分の隙間を作る。 その間を埋めるのは、前の音の残響とテンションでカバーする。 ようにします。 そうすると、残響の残る音の出し方をする、例えば、歌で言うと 「あ」と発音して口を開けたままにするような感じです。 喉や舌で恋に息の流れを止めない。開きっぱなし。 さらに、次の音に向かう雰囲気を出すために、 多少のテンションを加える。 圧力を加えるとか、音のスピードを上げるとか言う感じです。
で、最後に5。 前の音のテンションが高まって、響きが残って発音が終わった瞬間、 髪の毛一本分の間にスライドを移動します。 コツは、 次のポジションを目掛けてスライドを押し出すように動かして、 一瞬で移動しようとするのではなく、 一番加速した状態でポジションについたらスライドを止めるように します。 こうすると、止めた瞬間のブレが少なく、移動開始時にパワーをためるロスもなく、実は速い動作ができます。 「3本指で正しく持って、スナップを聞かせるように」と 習ったことはありませんか?まさに、それです。

練習方法

ポイントができるようにする。次に、例えば、 6ポジションを起点にして、 1ポジションずつインターバルを作り、満遍なく移れるようにする。 と良いかと思います。 面倒臭ければ、 今キメたいメロディを使ってゴリゴリと練習してください(雑w)

まとめ

なかなか文章でお伝えするのは難しいなと思いましたが、 いかがでしょうか。 特に、ポイントの5つを組み合わせて行うものだとすると、 まずは基礎レベルでしっかり音を鳴らせるようになることが 結局最後は力になる。と言うこともおわかり頂けたのではないでしょうか。

よかったら、チャレンジしてみてください^^